ビジネスモバイル最前線(7)
音声定額サービスに対応した
モバイル・セントレックス・ソリューション
通信コストの削減効果で法人市場で拡大
[2007/04/06]
ケータイキャリアとして、はじめてウィルコムが導入した音声定額サービスがスタートして2年余りが経過。ソフトバンクモバイルも制限付き音声定額サービス「ゴールドプラン」「ホワイトプラン」の導入に踏み切るなど、いわゆる「かけ放題サービス」は広がりを見せつつある。先行したウィルコムによれば、音声定額サービスは、個人の需要もさることながら、社員間(PHS間)の通話料が「定額」のみで無料になり、内線電話感覚でケータイが使える点が人気を呼び、PHSケータイは急速に法人市場に浸透しつつある。
NECマグナスコミュニケーションズ(本社:東京都港区、代表取締役執行役員社長:日比野 雅夫氏)は、ウィルコムが提供する音声定額サービス「ウィルコム定額プラン」に対応した法人ソリューションとして、3月から小規模企業向けのサービス「VoiceWayライト」の販売を開始したことを明らかにした。
PBXを運用しているような中小規模以上の企業に向けたソリューションも出揃ってきた。岩崎通信機(本社:東京都杉並区 代表取締役社長 石橋義之氏)が販売しているビジネスフォン・システム「PRECOT」は、ウィルコムのPHS通信モジュール「W-SIM」を搭載したPHSアダプタ「WSADP」を自社のPBXに接続すれば、PBX内線電話からウィルコムのPHS通信網を使えるようになるというもの。この場合も「音声定額サービス」を利用することで通信費を削減できる点が導入メリットになっている。
社内コミュニケーションを無料通話対象とし、企業内の通信コストを大幅に削減
NECマグナスコミュニケーションズの「VoiceWayライト」は、ビジネスホン/キーテレ/ボタン電話等のアナログ局線トランクとPHSアダプタ「VoiceWay」を接続し、「ウィルコム定額プラン」を契約することで、会社の固定電話とPHSとの通話料を定額料金で利用するためのソリューション。営業マンや外務員などが携帯するPHS端末同士のみだけでなく、会社の固定電話とPHSの通話も「ウィルコム定額プラン」の無料通話範囲になることから、社内外コミュニケケーションにかかる通信コストを大幅に削減することができるようになっている。
図1:VoiceWayライト利用時の定額通話イメージ
「携帯電話もしくはPHS20回線で1人1日3回使用し、稼動日数20日/月とした当社の試算では、従来の携帯電話を使う場合に比べ、ウィルコム定額プランと『VoiceWayライト』を組み合わせたソリューションでは、通信コストの約60%削減できます。低コストで導入でき、しかも、通信利用料が定額になることが、一番のポイント」と同社の第二営業部長・原裕三氏は強調している。
また、ビジネスホンやキーテレなどの既存機能との組み合わせで利便性が高まり、取引先からの電話を内線感覚で外出中の社員のPHSに転送することができるなど、外線転送通話も無料通話の範囲内で利用できるというメリットもある。
NEC製以外のビジネスホンにも対応
投資コストは2.5ヶ月で回収可能
同社では、PHS基地局とVoiceWayをセットにした「音声定額 on PBX」を既に中大規模企業向けに提供しているが、今回の「VoiceWayライト」は、VoiceWayのみを提供することで初期投資を大幅に抑えた中小企業向けのソリューションとなっている。設置の際は電波調査が必要で、同一システムに2台までしか設置できないという制約はあるものの、初期投資は、わずか十数万円から20万円と廉価に抑えられ、ランニングコストの削減効果によって、平均2.5ヶ月程度で初期投資が回収可能という。
しかも、NEC製はもとより、主要メーカーのほとんどのビジネスフォン・システムに対応できるので設定変更で手軽に導入でき、従来、導入までに3ヶ月程度必要だった「音声定額onPBX」と比べリードタイムが最短で1週間程度にまで短縮。短期間での導入が可能になっている。
販売目標は、3年間で2万台
PHSの音声定額サービスの市場への浸透で、大手企業では、企業内通信費の削減手段としてPHSの活用が進んでいるが、これまで社員が個人で保有する携帯電話に依存してきた小規模事業者でも、PHSの音声定額サービスへの関心が高まっており、「VoiceWayライト」の潜在需要も高いといえる。
同社では、「総務省が進めているテレワーク環境整備税制の導入促進が一般企業のモバイル需要取り込みの後押しになると見ていますが、ポケベルサービスの終了も医療分野では追い風のひとつと考えています。病院などの医療分野では、いまだにポケベルを活用しているところが多く、リプレイス需要が期待できます。低電磁波でマイクロセル方式により災害時のトラフィックの集中にも強いPHSの優位性を訴求することで幅広い分野に取り組み、今後3年間で2万台を販売して行きたい」(原氏)としている。
W-SIM対応のPHSアダプタによりPHS回線のPBX運用を実現
PHSアダプタ「WSADP」
岩崎通信機(本社:東京都杉並区 代表取締役社長 石橋義之氏)が展開しているビジネスフォン・システム「PRECOT」は、PBXを運用している中規模以上の企業向けモバイルソリューションだ。同ソリューションは、ウィルコムのPHS通信モジュール「W-SIM」を搭載したPHSアダプタ「WSADP」をPBXに接続、PBX内線電話からW-SIM経由でウィルコム網を使った通信サービスを行えるようにしたもの。社員が携帯するPHSが、社内では内線電話、社外ではPHSとして使用できるので「ウィルコム定額プラン」と組み合わせることで企業内通信コストの大幅な削減が可能になる。
本アダプタの最も大きな特徴は、ISDNインターフェイスを採用している点。PHSの持つクリアな音声を損なうことなく、内線電話、PHSとして利用できるようになっているのだ。また、ウィルコムのPHS通信モジュール「W-SIM」を採用したことで拡張性が高くなっていることも大きな特徴。PHSアダプタ「WSADP」には、最大2枚のW-SIMが搭載可能で事業所の規模に合わせて、回線数を選択することで、柔軟な対応ができるようになっている。
仮設事務所でも手軽にビジネスホンの導入が可能
また、同ソリューションは、本社や支店に設置することで拠点間の通信を「ウィルコム定額プラン」の無料通話の対象範囲にできるというメリットがある一方で、電話回線が敷かれていない短期の仮設店舗などで簡単にビジネスホンを導入できるという特徴も持っている。
「W-SIMによりPHSの回線が確保できるので、工事現場や催事場など短期間の仮設事務所でもNTT回線を敷くことなく、簡単にビジネスフォン・システムが構築できることも利点となっています」と同社の販売促進部担当課長・佐藤健治氏は説明している。
また、ウィルコムブランドのPHS端末だけでなく、同社オリジナルのPHS端末が使えることも同ソリューションのセールスポイントといえる。同社では、従来から構内PHSシステムの構築を手がけており、その実績からマルチラインキーを搭載したオリジナルの端末を開発。社内で内線電話としてPHSを使用する際には、マルチラインキーを使用することで、転送・保留などの操作がスムーズに行えるのは便利な機能といえるだろう。
同社のビジネスフォン・システム三種類のシリーズはすでに数万セットの販売実績があり、その内、約3割がコードレスタイプとなっていることから、コードレスタイプのユーザーを中心に同ソリューションの販促を進めていくとしている。
関連記事:
ビジネスモバイル最前線(8)
Windowsケータイの活用でホスピタリティが向上[2007/04/27]
ビジネスモバイル最前線(7)
音声定額サービスに対応したモバイル・セントレックス・ソリューション[2007/04/06]
ビジネスモバイル最前線(6)
PHS通信網を利用し、生鮮食品のトレーサビリティを低コストで実現[2007/04/04]
ビジネスモバイル最前線(5)
PHS端末「W-ZERO3」に搭載するユビキタスPOS「APOLLO Mobile SaaS」を開発[2007/03/23]
ビジネスモバイル最前線(4)
「W-ZERO3[es](WS007SH)」を活用したRFIDハンディリーダライタ「HRI-1200」「HRI-1210」を開発[2007/03/22]
ビジネスモバイル最前線(3)
ノートパソコンの代替としてWindows Mobile端末の導入進むセキュリティとソリューションの整備が後押し
ビジネスモバイル最前線(2)
W-ZERO3[es]を活用 モバイル環境で使用できるFeliCa用リーダー/ライター「FRWM01」を開発
ビジネスモバイル最前線(1)
本格普及期に入ったWindows Mobile 法人ユースの拡大を背景に来期3倍の出荷を見込む
ウィルコム公式サイト
Copyright © 2005-2007 TechnoAssociates, Inc. All Rights Reserved.